School—開校の経緯
なぜ、ぺルミ・ワガノワ教師養成校が開校されたか。
(日本のあまりにも正式な教授法を知らない無責任な指導者たちを改め真のワガノワ教師への育成が目的です。)
クラシックバレエダンサー養成の世界的スタンダードになっているのが「ロシアバレエメソッド」(通称:ワガノワメソッド)です。ロシア連邦文化省直属の連邦国立バレエ学校は、4校(ワガノワ、ボリショイ、ペルミ、ノボシビルスク)のみで、この4校は文化省が明確に定めた同じカリキュラム(ロシアバレエメソッド)にて授業が行われています。2005年にペルミ日本校が開校する前、日本国内の大多数のバレエ教室・学校でワガノワメソッド指導と称している方々は<「ワガノワ」なーちゃって>と、でたらめ(自己流)で教えてきているのです。何故ならソ連時代・ロシアになってもロシア国内で正式にワガノワバレエ教師免許(通信制で5年間学びます)を取得した日本人は数名のみです。この数名以外の日本でワガノワメソッドで指導していると称しているバレエ教師・指導者は、ワガノワとは似ても似つかない自己流(でたらめ)のにせワガノワなのです。
ロシアのバレエ学校に研究生留学(数か月、1-2年)してもそれは、ダンサー養成校へダンサーを目指しての研究生留学なのです。研究生ではロシア語のレベルも低くまた、ダンサー養成校ですので理論である教授法は何らカリキュラムにないのです。つまり、長年日本でワガノワと称している指導的立場の人々は、すべて自己流(でたらめ)なのです。将来性がある生徒たちがこのような無責任な指導者によって何が正しいのか、何が基本なのかさえ教えられず、身に付けることが出来ず、時間とお金だけを失いダンサーにとって最重要な基礎の修得時期に基礎を習得できず、基礎が無いためそれ以降練習を続けてもキャリアを築くことが出来ないのです。これが日本のバレエ教師の実態なのです。
この様な状態を何とか改善するためにロシア政府の意向によりワガノワ教授法を最も純粋の形で継承しているといわれるロシア国立ペルミバレエ学校の協力により正式なワガノワメソッド修得を目的とした日本校が2005年に開校し、これにより本校より直接に公式・正統なワガノワメソッドの教育を受ける事ができ履修した卒業生(ワガノワ教師)はまだ190余名(2019年4月)です。新聞報道によると日本のバレエ教室は約4,600余室との事。バレエ教師と称している方々も同程度以上の人数がおられるかと思います。国内でワガノワメソッド指導と称している方々の人数は不明ですが、他のメソッドも含め日本のバレエ指導者の95%以上は、自己流なのです。何故なら日本には、バレエ教師の国家資格がないので、誰でも、いつでも無責任にバレエ教師と名乗れるのです。ワガノワ教師と称しても、今までは誰も正式なワガノワ教授法がわからないので、自己流(でたらめ)だと指摘できないために勝手に名乗っているのです。又、ロシアのダンサー養成校に研究生留学し帰国した方々も同様、ワガノワメソッド教師ではないのです。
世界でクラシックバレエ教師と証する最低条件は、「クラシックダンス」、「キャラクターダンス」、「ヒストリカルダンス」の指導法を正式に修得して初めて教師と証しています。 何故なら、全幕物には、必ず上記3種のダンスが踊られておりその割合を大まかに言えばクラシックが6割、キャラクーが3割、ヒストリカルが1割です。
日本のバレエ界の指導者は、この100年に渡ってクラシックダンスだけを指導し、ダンサーに必要な約60%しか指導せず、これでクラシックバレエダンサーと称してごまかしてきたのです。それも自己流(でたらめ)で指導しているのです。クラシックダンサーに最低限必要な残りの40%(キャラクター、ヒストリカル)は、全く知らないので指導できなのです。日本のバレエ指導者と称する方々より指導を受けた日本のクラシックバレエダンサーは、あたかも40%は無かったものとされ、教わるべき内容の約60%しか教わっていないのです。世界のバレエダンサーと比べれて、初めから全幕物に必要な踊りの教育は受けていないのです。そのため「日本の~先生に師事」、「日本の~先生の指導を受けた」と明記しているバレエ教室の先生、バレエ指導者は、ご自身が正式な教授法を知らない自己流(でたらめ)で指導している先生に師事したことをわざわざ表明しているのです。
歴史的にこのキャラクターダンスとヒストリカルダンスを約300年に渡り継続的に正式な授業科目として教えているのは世界でロシアのバレエ学校のみです。そのためヨーロッパ、アメリカ、カナダ等々では教えることが出来ずこれらの学校、バレエ団で本物のこの2種ダンスを教えているのはロシア人教師です。
日本のバレエ団のダンサーが踊っているキャラクター、ヒストリカルと称するものは、歴史的に日本のバレエ指導者は知らないし、教えることが出来ず、今も指導ができないため公演前に短時間で2種の教師と称する者より練習します。そのためこの2種のダンスのロシア人専門家によると似ても似つかないものを踊っているとの事です。これを日本の観客は本物と思って観劇しているのです。
本学の開校目的は
- 公的に正式・正統はペルミワガノワメソッド教師を育てる事。偽ワガノワ教師を排除する事
- クラシックダンサー養成に最低限必要な、クラシック、キャラクー、ヒストリカルダンスの指導できる教師を育てる事。
- クラシックバレエ教師は、伴奏音楽の理解をもって初めて生徒を指導出来る事を理解する事。
- クラシックダンスの理論を生徒に口頭で説明でき、生徒に正確な形を見せ、行わせて指導出来る事
- ワガノワメソッド教科書を整える事
(8年制ダンサー養成のための各学年毎の指導法を明記したクラシック、キャラクター、ヒストリカル教科書、デユエット教科書) - ダンサー養成用伴奏音楽を整える事
(8年制ダンサー養成教科書に沿った授業で使用される各学年毎のクラシック、キャラクター、ヒストリカルダンスの音楽、伴奏者養成書) - ワガノワ教授法を修得したバレエ教師の育成と指導方法の維持・向上をサポートし、全ての生徒さんへ責任をもって指導できる教師体制と整える事。
- 8年制ダンサー養成(クラシック、キャラクター、ヒストリカル)に伴う各学年毎の修得レベルをチェックできる検定システムとそれに伴う各学年毎の検定見本映像(DVD)、各学年毎の検定用伴奏音楽(CD)を整える事。
ロシアバレエメソッド(通称:ワガノワメソッド)教師養成校である
本学の特徴と卒業生の権利
- 公式・正統なワガノワメソッドの教師資格取得
(*ペルミ日本校の教師資格証明取得。*希望者は日本校卒業後にロシア本校にて日本校の授業をベースにした短期集中研修修了で本校の教師資格証明取得) - 日本校の授業は、実技と理論授業は本校が管理実施し、ペルミ本校より派遣されてくる現役公式教師のみによる指導・評価。解剖学等々の座学は、日本人講師が担当
- クラシックバレエダンサーに必須(全幕物)の3種のダンス(クラシックダンス、キャラクターダンス、ヒストリカルダンス)の教師資格修得。
*日本で育ったクラシックバレエダンサーは、3種のダンスが必要な全幕物(白鳥の湖、ドン・キホーテ、ライモンダ、コッペリア等々多数)を踊れないのです。それは、今までの日本のバレエ教師が、2種のダンスを知らず、教えることが出来ず、長きに渡り必要性を隠していたのです。そのため日本のバレエダンサーは、中途半端(必須の内の60%)なのです - 授業には、ペルミ本校編集の日本語訳教科書(クラシック、キャラクター、ヒストリカル)を使用し、その他教材としての教科書:デユエット、児童、体操、伴奏が用意されています。生のピアノ伴奏による授業です。自身が指導する時に使用するための授業伴奏音楽CDとDVDを専用に用意しています。授業には、ロシアバレエ学校に卒業
・留学した者が通訳します。 - 学年毎に検定用に3種ダンスのDVD、CDを用意していますので、明確に各学年の課題を理解し、メソッドに沿った指導が出来ます。クラシック:第1~6学年、キャラクター:第4学年~8学年、ヒストリカル:第1~3学年と7学年
- ペルミ日本校の卒業生の取得できる権利(現時点で)
- ワガノワバレエメソッド教師資格(クラシック、キャラクター、ヒストリカル)
- ロシア連邦バレエ学校(ワガノワ、ボリショイ、ペルミ)へ留学する者への「ロシア連邦政府奨学金」候補生の推薦権
- ペルミバレエ学校への自身の生徒の留学推薦権
- 商標権の利用(*ペルミワガノワバレエ教師、*ペルミワガノワバレエメソッド)
- 音楽CD、DVD、検定DVDの割引購入。
- 日本校開催の学習会(年3回)への無料参加権
- 日本校開催の3種ダンス講習会(年3回)への生徒の優先割引参加権
- ロシア人講師によるバリエーションの指導、バリエーションの個別指導
- ロシア人講師を自身の教室に招聘
- ワガノワバレエ検定の審査員及び開催権
- バレエコンクール(prix du japon)の審査員
- 芸術監督、校長へ発表会への祝辞依頼等々、その他多数
以上です。
ロシア国立ペルミバレエ学校日本校
理事長 内田 昭二